理念
「医学は科学」であるというのが当院の理念の一つですが、科学は進歩していきます。
当然ながら薬学の進歩もめざましいものがあります。我々の責務は、患者さんに最善の薬物治療を提供することにありますので、新たな薬学的知識や技術の習得が不可欠です。また病院の医療の質を高める上では、薬剤科の職員も薬学的な知識だけにこだわらず、他の医療全般の知識・あらゆる知識の向上が必要です。
そのため当院薬剤科では、「 患者さんのために 」を念頭に下記を理念としています。
- 医療チームの一員として積極的に業務を行います。
- 薬の専門科として、安全かつ効果的な薬物治療を提供します。
- 信頼され、満足されるような業務を心がけます。
- 知識、技術の研究・研鑽を怠らず、医療の質の向上に努めます。
概要
- 職員数(2022年10月)
- 薬剤師;10名 薬剤助手;3名
- 処方箋枚数(2022年10月)
- 入院処方;1656枚 外来院外処方;6406枚 外来院内処方;71枚 院外処方率;99%
- 注射剤混注件数(2022年10月)
- 抗がん剤調整件数;364件/月
無菌製剤(TPN);160件/月 - 病棟薬剤業務実施加算(2022年10月)
- 590件/月
- 薬剤管理指導料(2022年10月)
- 594件/月
認定薬剤師
NST専門療法士 | 1名 |
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外来がん治療認定薬剤師 | 1名 |
周術期管理チーム認定薬剤師 | 1名 |
緩和医療薬学会 麻薬教育認定薬剤師 | 1名 |
実務実習認定薬剤師 | 1名 |
スポーツファーマシスト | 1名 |
薬剤師研修センター研修認定薬剤師 | 4名 |
主な業務内容紹介
病棟薬剤管理業務
当院では全病棟に担当の薬剤師が常駐しており、入院患者さんに安全で適切な薬物治療を提供できるよう努めています。
持参薬鑑別
持参薬の内容や服用状況などを確認し、継続や中止の必要性を検討し主治医へ処方提案を行います。サプリメント、OTC医薬品の使用状況なども確認します。
薬歴、処方内容の確認
薬歴や既往歴、アレルギー歴などの患者情報を確認し、使用する薬剤の禁忌、相互作用、重複投与などの確認を行います。腎機能や肝機能に応じて調節が必要となる薬剤では、適切は用法用量を医師に提案します。また、処方切れのチェックや不要な薬が漫然と続いていないかの確認なども行っています。
服用薬剤の管理
入院中の薬の管理方法は、患者さん本人や看護師と相談し、患者さん一人一人に合わせたやり方を選択します。患者さんが薬を管理することが難しい場合は看護師管理となり、薬剤師が配薬カートへのセットを行います。患者さん本人で薬を管理する場合は、一包化やシート調剤など患者さんに合わせた調剤方法を検討します。
病棟配置薬の管理
病棟に配置している薬剤の使用状況の確認や期限チェックなどを行い、病棟での薬に関するすべてに関わっています。
回診、病棟カンファレンスへの参加
医師・看護師と共に外科病棟では毎日の回診に参加しています。内科病棟では週1回行われるカンファレンスへ参加しています。
TDM
バンコマイシンやアミノグリコシド系抗菌薬などの開始時には血中濃度測定を依頼し、処方設計を行います。
医療従事者からの薬剤の相談と医薬品情報の周知
医師や看護師などからの治療薬に関する相談、問い合わせに対応しています。
また新たな医薬品の情報収集を行い、電子カルテシステムへ添付を行うことで医療スタッフが情報を確認できるようにます。また紙面による院内配布を行い、医薬品情報の周知をスタッフへ行っています。

薬剤指導(服薬指導・自己注射指導・薬物治療説明)
適切な治療を受けて頂くために、当院では様々な指導を行っています。一部を紹介します。
服薬指導、自己注射指導
使用薬剤(内服薬・注射薬)の効果、副作用、服用方法等の説明をします。また、効果や副作用のモニタリングや服用状況の確認を行います。退院時には患者さんやご家族に服薬指導を行います。
糖尿病薬や骨粗鬆症薬などで患者さんご自身が注射をする必要がある場合があります。
その際は、外来・入院患者を問わず、薬剤師が自己注射導入指導を行います。
薬物治療説明
がん化学療法の治療を受ける患者さんに治療のスケジュール、副作用、生活上の注意点や影響などを説明します。
患者さんに薬に対する知識と理解をより一層深めて頂けるよう、一人一人分かりやすく丁寧な指導を心がけています。

調剤業務(内服調剤・注射調剤)
内服調剤
処方箋に基づき薬の調剤を行います。調剤では薬を正確に取りそろえるだけではなく、薬同士の相互作用、患者さんのアレルギー歴の情報も確認し、患者さんの年齢や体重、内臓機能の状況などに応じて、薬の内容や量が適切かどうかを判断します。
また調剤過誤を防ぐために錠剤自動分包機や散薬ではバーコードによる確認機能、自動的に秤量内容が記載される散剤秤量監査システムを導入しています。

注射調剤
注射箋に基づき注射薬・輸液を患者さんごとに取り揃えて各病棟へと払い出しています。 注射調剤も内服調剤と同様に患者さんの個々の状況 (体重、年齢など) に応じて薬の内容や量が適切かどうか判断します。それに加えて注射薬は複数の薬剤を混合して投与することが多いので注射薬同士の配合変化や点滴速度、投与経路の確認をします。

注射剤の調製(抗がん剤・無菌製剤の調製)
抗がん剤の調製
抗がん剤への曝露は、病院スタッフや患者さんの付き添いの方への健康被害を発症する恐れがあります。抗がん剤を調整する時と抗がん剤を投与する際には周りの環境への汚染を防ぐ必要があります。そのため、当院ではすべての抗がん剤の調製を安全キャビネット内で行っています。
調整前には投与量、投与間隔、検査値等を確認しています。また、抗がん剤の曝露防止の観点から、当院では抗がん剤の投与はすべて閉鎖式ルートを使用しています。
高カロリー輸液(TPN)の無菌調製
経口での栄養摂取ができない、または不足している患者さんにはTPNの投与が検討されます。TPNは長時間の投与を要するので、混入した細菌が繁殖し、感染症を引き起こすリスクがあります。
こうしたリスクを防ぐために、薬剤科ではクリーンベンチを用いてすべてのTPNを無菌的に調整しています。また、混合時には配合変化に留意しております。

院内製剤
院内製剤とは市販化されていない医薬品を病院で作成したものです。
院内製剤を作成するにあたっては、安全性の評価と作成する必要性を十分に検討しています。
当院で作成している院内製剤は、注射剤・外用薬・検査薬など8品種あります。
(クラス分類;クラスⅠ:3種類 クラスⅡ:4種類 クラスⅢ:1種類)

チーム医療への参加
当院薬剤科では、薬の専門科として積極的にチーム医療に参加しています。
薬剤師の参加しているチームとチームでの薬剤師の活動内容を紹介します。
がん化学療法対策チーム(委員会)
- がん化学療法のレジメン管理・院内スタッフへの周知
- 登録レジメンセットの作成(適切な制吐療法、輸液などの検討を含む)
- がん化学療法施行における院内マニュアル作成
(アレルギー発現時、抗がん剤曝露対策、副作用対策など) - 後発医薬品、バイオシミラーなどの選定
栄養サポートチーム(NST)
- 週に1回のカンファレンス・回診への参加
- 院内での栄養管理の啓蒙活動(院内勉強会での講師)
感染対策チーム(ICT)
- 他職種と共に院内ラウンドへの参加
- 院内感染の発生状況の調査と評価
抗菌薬適性使用支援チーム(AST)
- 6ヶ月~1年ごとにアンチバイオグラムの作成と評価
- 院内での抗菌薬適正使用マニュアルの作成
- 医師へスタッフからの抗菌薬治療の相談応需
がんリハビリテーションチーム
- 介入患者のリハビリに影響する薬剤の評価と薬学的サポート
薬剤科よりお知らせ
トレーシングレポートについて
当院ではトレーシングレポートを導入しています。
トレーシングレポートは 緊急性が低いものであるが、処方医へ伝達する必要性があると判断された場合に作成し伝達する文書です。
伝達される内容の例として下記があげられます。
- 服薬アドヒアランスの状況
- 長期服用を考慮した場合の患者さんの負担軽減の提案(剤形変更、服用方法の変更など)
- 緊急性を要さない副作用の発現状況
- 新規導入薬剤の効果状況 など
トレーシングレポートは下記 PDF ファイルより印刷して作成、薬剤科へ FAX にて報告をお願い致します。内容を確認の上、処方医へ報告させていただきます。
トレーシングレポート印刷はこちら検査値について
当院では検査結果は受診時際に医師より患者さんに手渡ししています。
肝機能、腎機能などの採血結果が必要な場合、患者さんより聴取していただくか、聴取が困難な場合は、直接当院薬剤科(0436-24-4081)へ電話にて連絡をお願いします。
がん化学療法レジメン名シールの発行について
当院ではがん化学療法の治療をされている患者にレジメン名を記載したシールをお渡ししています。シールはお薬手帳にはるように説明させていただいていますので必要時ご確認下さい。
がん化学療法レジメン掲載について
当院で施行されるがん化学療法のレジメンの一覧を確認できます。
登録されているレジメンは各種ガイドライン等で紹介される投与量、スケジュールです。
がん化学療法は個々の患者さんの状態に合わせて、投与量、スケジュールが変更されます。
ご了承ください。
患者さんと面談時にご不明な点などは当院薬剤科へご連絡下さい。
レジメン一覧はこちら
院外処方箋の疑義照会について
疑義照会の手順とプロトコルを作成しました。
下記ファイルにてご確認をお願いします。
がん化学療法研修会開催について
2022年度がん化学療法研修会を開催させて頂きます。
日時・場所 | 2023年3月16日(木) 18:00~19:00 鎗田病院会議室(3F) |
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演者 | 西川 舞子(薬剤師)医療用麻薬の使い分け(内服薬中心) 河西 良 (薬剤師)当院における肺・胃・大腸がん化学療法 |
- 参加をご希望される方は、当院薬剤科までご連絡をお願い致します。
- がん化学療法に対する病院と調剤薬局の連携を目的としています。お気軽にご参加下さい。